石田音人 演奏楽器の紹介
日本の胡弓(胡弓・大胡弓・玲琴・玲琴・雛胡弓・クーチョー)、弓笛
胡弓・・・江戸時代より続く一般的な胡弓。三味線と小型にした形をしており、三弦と四弦のものがある。絹糸の美しい高音を持っており、哀愁と情緒を持ち合わせた、日本の伝統楽器である。 |
四弦大胡弓・・・広い音域と豊かな音量をもつ大胡弓。その源流は、宮城道雄が考案した幻の四弦大胡弓にさかのぼる。石田音人は、この胡弓を用いて、オーケストラやジャズ、ブラスとの共演を行い、打楽器やシンセサイザーを伴奏に取り入れたオリジナル曲を奏でている。 | |||||
玲琴・・・石田音人制作。大正十年頃、音楽者田辺尚雄が考案した低音胡弓。日本海の深い海の波や東洋の寂びを表現する低音胡弓として考案され、昭和十年ころまで民謡伴奏や合奏の低音パート、朗読の伴奏などに使用され、開局間もないラジオ放送やレコード録音で、全国に音色が届けられた。4年前に、石田音人が、復元・演奏を開始、モンゴルでの演奏や各地での演奏会を行い、昨年、ソロアルバムを制作、大正浪漫や息吹を奏で、ソロ楽器としての魅力を引き出している。玲琴の音色をお聞き下さい。 |
雛胡弓・・・江戸時代、徳川家はお姫様に、雛道具として、小さな胡弓を与えた。徳川にゆかりのある全国の雛人形のなかに、雛道具の胡弓が残っている。石田音人と伝統工芸師安井清さんと共同制作で、演奏用雛胡弓を完成させた。40センチほどの小さな胡弓による演奏は人気が高い。 | |||||
クーチョー・・・沖縄胡弓。蛇皮を張った小さな丸い胴の胡弓は、沖縄古典音楽の伴奏や沖縄民謡に使われる。胴は、かつて椰子の実で作られたという。 |
胡弓の弓・・・石田音人制作。楽器に合わせて、演奏しやすい様々な弓を製作。 | |||||
日本の胡弓の弓は、全体の長さや、握りの部分も大きい。石田音人は昨年、その握りの部分に、篠笛を仕込み、笛の機能を持つ弓を完成させた。千年前の、シルクロードの仏教石刻に弓の形をした笛を吹く女性が刻まれている。その笛が伝説の弓笛といわれている。胡弓の弓笛は、それを応用したものである。これは、玲琴用の弓笛である。 |
胡弓用弓笛。弓を握った右手を、その口元へ引き寄せると、ちょうど吹き口が口元に来るように加工してある。 | |||||