これまでに40本ほど弓を製作してきました。毛を張る前に、握っただけで、弾きやすい弓かどうか、弓の重臣のバランスが分かるようになりました。
今回、弓本体を演奏時の位置で握り、大体のバランスがわかるようになりました。 |
| 従来の弓は、毛元の握りの部分が、細い紐で弓本体と結んであります。これにたいして、石田音人が試みたのは、太目の組みひもを使い、毛元に四重、握りの部分に弓本体との渡し部分を作り、弓本体との一体感を強めました。これによって、弓本体の竹のばねが直接、毛の部分に伝わり、さらに、右手の握りのコントロールがやりやすくなり、弓本体の竹のばねも右手に直に感じて、演奏できるようになりました。しっかりと、弓の竹のばねを感じて、太い音も出すことができます。持参の一般的な弓です。おわらの伯育男様製作の弓は、日本の弓の最高作品といえます。他の弓にも弓のバランスや竹のばねなど応用することができます。また、故横井みつゑ伝承の弓も、竹の二枚あわせで、竹のばねの効果を利用できる作品です。 |
| 先端も、同様です。これまではヒートンの先に、毛先端のリングを掛ける方法がほとんどでした。これは、一点接続で、本体の竹のばねを一点のみで伝えるため、竹のばねの一部しか伝わりません。音人は、本体先端に、直接毛先のリングを掛ける方法を生み出しました。これによって、本体の竹のばねのエネルギーがダイレクトに伝わるようになりました。右の持参の弓は一枚の竹を利用したもので、曲がりの部分も肉厚で、竹のばねを利用することができません。 |